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薬師寺陣屋


読み・・・やくしじじんや

所在地・・・栃木県下野市薬師寺(旧南河内町)

別称・・・秋田藩出張陣屋、御在府屋敷

築城年・・・1661年

築城者・・・佐竹氏

主な城主・・・秋田からの派遣代官


秋田藩下野領

 関ヶ原の戦い後、佐竹義宣は常陸水戸54万石から出羽秋田20万石に減封された。
 秋田藩は下野領に飛び地があり、その成立は、1602年と1605年の2つの説がある。
 1605年に佐竹氏に下野領が宛行われたものを、1602年の秋田への転封と混同された可能性があって、秋田藩下野領は1605年に成立したと考えられている。

地代官と派遣代官の交互支配

 さて、秋田藩の下野領の支配所は1628年頃から、初めは萱橋村に置かれていたとされ、その後、1661年に薬師寺村に代官屋敷が設けられた。
 秋田藩の下野領支配には、地代官と呼ばれる大嶋氏が携わっていて、秋田から代官が派遣されることもあり、地代官と秋田からの派遣代官の交互支配で成り立っていた。
 薬師寺村に設けられた代官屋敷は、秋田から派遣された代官の専用施設であって、大嶋氏の地代官は、自分の屋敷を役所としていたようだ。
 1673年に薬師寺村の代官屋敷は拡張されるが、これは地代官から秋田からの派遣代官への転換に伴うもので、代官屋敷は「御在府屋敷」とも呼ばれるようになった。
 ところが、1680年から薬師寺村の代官屋敷は百姓屋敷となって廃絶しており、このときにまた、秋田からの派遣代官から地代官への転換があった。
 1686年に再び薬師寺村に代官屋敷が建設されて再興されるが、このときもまた、地代官から秋田からの派遣代官へと転換があり、薬師寺村の代官屋敷は1705年頃に廃されたらしい。


<現在の状況>

 薬師寺陣屋は宅地化している。場所自体は、下野薬師寺のすぐそばなので、比較的分かりやすい。


<あわせて読みたいページ>


 「薬師寺城」薬師寺地域にある中世の城。

 「仁良川陣屋」薬師寺陣屋の後に設けられた、秋田藩の出張陣屋。

 「下野薬師寺」薬師寺陣屋から北西にある、下野薬師寺。

 「薬師寺地域の魅力」ブログ「九鬼の響き」の記述。


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薬師寺陣屋の地図→